インタビュー

日本一ペットに寄り添うドッグトレーナーから「しつけとは何か」を学ぶ!

皆さまの愛犬は、ちゃんとしつけされていますか?そもそも、しつけとは何かを正しく理解していますか?今回は、日本で一番飼い主さんとペットに寄り添うドッグトレーナー、望月翼さんに「しつけとは何か?」その本質に迫るお話をたくさんお聞きする事が出来ました。しつけに悩む飼い主さん、必見の記事です!!

日本一ペットに寄り添うドッグトレーナーから「しつけとは何か」を学ぶ!

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今回は、WaterO Mediaの第三段のインタビュー企画です。

三回目は、日本で一番ペットに寄り添うドッグトレーナーの望月翼さんに、「犬の日」にオンラインインタビューをさせて頂きました!11月1日、ワンワンワン、ですね!

しつけに悩まれている飼い主さんも多いと思いますが、しつけのプロである望月さんに、しつけのプロであるドッグトレーナーのお仕事内容について詳しく聞いて来ました。しつけの具体例も載っているので、ぜひご覧下さい!

私鈴木も、インタビューにだんだん慣れてきましたよ。

それでは、インタビュースタートです〜〜!

ドッグトレーナー望月さんのご経歴と仕事内容

ワンちゃんの隣に寄り添う望月さん

望月さん、今日は犬の日という事で、お時間いただいてありがとうございます。

いえいえ、こちらこそよろしくお願いします!

まずは望月さんがどのようなお仕事をしているか、を教えて頂けますか?

今現状やっている事でいうと、ドッグトレーナーをハタチの時からやっておりまして、独立したのが22歳手前の時ですね。

あ、望月さんって今おいくつでしたっけ?

26歳です!

お若いですよね。

そうなんです。ドッグトレーナーもしつつ、動物愛護のこともしています。譲渡会と、支援型オンラインショップと呼んでいるのですが、オンラインショップの利益の一部を提携している保護施設に寄付したり、譲渡会の費用に当てさせて貰っています。動物愛護の僕の思いに対して、一緒にやっていこうと言ってくださる方向けに無料コミュニティを運営しているのですが、来年から有料にして、その資金で定期的な譲渡会をやろうとしています。大阪をメインに大規模な譲渡会もやろうと思っています。そんなことも来年から始めようと思ってます!

なるほど!ドッグトレーナーの所から詳しくお聞きしていきたいんですけど、ドッグトレーナーにもともと望月さんがなろうと思ったキッカケって何ですか?

もともと小さい時から生き物が好きだったんですよね。虫とか、カエルとか(笑)その時から「昆虫博士になる!」とか思っていました。「農業高校行きたいな」とかも言っていましたね。中高でバレーボールにガッツリハマって全国レベルの高校に行きまして、一時はその道で行こうかなと思ったりもしたんですが、上には上がいるという事で、その道は諦めました。大学からの推薦もあったんですけど、やっぱり動物関係の仕事につきたいなと思って、色々調べだしたんですよね。動物園の飼育員とか、水族館の飼育員とか。その中でドッグトレーナーを見つけました。始めは警察犬訓練士だったかな。面白そうだな、と思って。身体を動かす事も好きだし、犬も好きだし。始めは人との関わりも少ないんだろうな、と思っていたんですよ!(笑)それだったら向いているかなと思って、ドッグトレーナーを始めたんですよ。

人とのコミュニケーションが得意じゃなかったんですか?

そうですそうです。得意じゃなかった。まあ、ドッグトレーナーの世界は厳しい世界という事は専門学校に行く前から知っていたんですけど。高校も厳しい高校だったし、乗り越えれるだろうと思って専門学校に行きました。そこからドッグトレーナーにはまりだしたって感じですね。

専門学校では何を勉強したんですか?

全体的に学ぶんですよね。トレーナーコースに通ったんで、実技が一番多かったです。実技は学校犬とか一般の飼い主さんにワンちゃんを連れてきてもらって、やりました。先生の動きを真似しながらやったり。こういう時はワンちゃんこう思っているから、こういう身体の使い方をしましょうとか、こういう動きをしましょうとか。もう、全然違うんですよ!(笑)その人がやるのと僕がやるのでは、始めは。同じワンちゃんでも、僕が持つのと、その人が持つのでは態度が全然違うんです。ワンちゃんが楽しそうだし、すごいパキパキ動くし。「何が違うんだろ?」と始めは思っていたんですけど、少しずつ分かってきましたね。

気になります!どこが違っていたんですか?

身体の使い方と、気持ちの問題

へ〜〜!

気持ちが特に大事です。緊張とか自信とか。自信は、とってもワンちゃんに伝わりますね。ハンドラーの。

そういう所って伝わるんですね!

はい、とても敏感だと思いますね。多分、皆も経験あると思うんですけど、お出かけする前とか、何も言っていないのに、ワンちゃん察知して、抱っこを求めてきたり、いきなりかまってきたりとか。全部、読まれているんですよね、飼い主の心の動きを。授業が終わる3分前とかになるとワンちゃんそわそわしだしたり。生徒の「もうすぐ授業終わるぞ」というそわそわが伝わるんですよね。

なるほどですね。専門学校で学んで、進路としてはどこに進んだんですか?

ドッグスクールです。僕もクラス40人くらいいたんですけど、ドッグトレーナーとして就職したのは、10人くらいかな?で、未だに続けているのは、たぶん2人。僕を含めて。

え〜っ、そんなに一生懸命勉強したのに、辞めちゃうんですね!

まじ厳しいんで!(笑)

何が厳しいんですかね?

全部ですけどね。メンタル的にも肉体的にも。あと、お給料も。

そうなんですね。具体的にもっと教えて頂けますか?

訓練所と、ドッグスクールってあって。ドッグスクールっていうのは、幼稚園みたいな感じですね。訓練所は、警察犬と家庭犬で別れます。協会があって、そこに認定されている施設が訓練所なんですが、その訓練所はもう修行の場なんです。トレーナーの。師匠、という呼び方もしますし。インターンで訓練所行ったんですが、まず住み込みなんですね。寝るのもプレハブ小屋みたいな所で、めっちゃ寒かったですし(笑)朝4時半起きで始まって、所長の動きに合わせて色々サポートして、みたいな。矯正訓練と呼ばれるものをやると、もう一瞬で変わるんですよ、ワンちゃん。ちょっと力技になりますけど。次に人を噛んだら保健所行きになってしまうワンちゃんとかは、そういうのをやるのも1つの正解なのかなと思いますけどね。やっぱり養成訓練では出来ない事もあったりします。養成訓練は時間が掛かってしまうんですよね。そういう所でした、訓練所。初任給も、3万円くらいなんで

え〜〜!!どうやって暮らすんですか?それ。

住み込みなんで、ご飯とかは出るんで、死にはしないです!(笑)変な決まりもあって、5年は修行しろ、と。

職人の世界みたいな感じなんですか!?

あ、そんな感じですね。ただ、5年もそんな所で引きこもっていたら、ビジネスのビの字も分からないから、成功できる訳が無いんですよね。訓練所にいった同期は3〜4人くらいいました。僕は、ドッグスクールに行ったので、そういう風な修行という感じではないです。それだったら行けるかな、と思って行ったんですけど、それでもキツかったですね。

独立してからは仕事の大変さという観点でいうと、どうですか?

独立したては、それはそれで、めちゃキツかったですね(笑)ドッグトレーナーとして、独立した訳では無かったんですよね、その時って。

何で独立されたんですか?

何のあてもなく独立しました。当時手取りが12万円だったんですよね、僕。一人暮らしで結構キツくて、「ここに居ても一生このままやわ」と思って辞めて。始めは、営業を学んでました。全く別のビジネスをやり始めました。全然成果も出なくて、最初の1年半くらいは家も無かったんですよ。お世話になっている社長さんの事務所で寝かせてもらったりとか、友達の家に居候したりとか。その時期が1年半くらいあって。しんどかったんですけど、2年経った時に、環境が少し変わりました。

何があったんですか?

お世話になっていた人が連絡が取れなくなってしまって。そこから普通にバイトしなきゃいけないなと思いまして、とりあえず時給が高いバイト無いかなと思って探したらコールセンターでしたね。3社目で、責任者のポジションまでやらせて貰う事になりまして、そこで収入が落ち着きました。昔の僕からしたら20万円超える事すらなかったのに、30万円くらいになって。そこから、やっぱり動物関連の仕事をしたいなと思うようになりました。

コールセンターの仕事は確かに、望月さんのやりたい事とは少し離れてそうな気がします。

はい、全然楽しくなかったですね。その会社は、副業を色々案内していたので、物販を学びだしたりして。その会社は今も繋がりがあるんですが、その会社がキッカケで大分落ち着いて、去年クラウドファンディングをしました。3月に打ち出して4月に達成して、5月に大きめの譲渡会をやろうとしていたんですが、コロナで出来なくて。来年の5月22日、23日にやろうと企画しています。

クラウドファンディングはどれくらい集まったんですか?

100万円ですね。

僕も今やっているのでは大変さすごい分かりますが、100万円も集めるなんて、望月さん本当にすごいです!

ずっと僕、言い続けていたんですよ。それの積み重ねが実ったという形でしたね。

ドッグトレーナーとは?

トレーニング中の望月さん

トレーナーとしてのお仕事はどんな風に始まったんですか?

最初はインスタとかツイッターとかで少しずつ始めて行って、だんだん口コミとかも増えてきて。元々、交流会とか沢山行っていたので、そこから紹介して貰ったりとか。最近ではYoutube見ました、と言って来てくれる人もいますね。

そうなんですね!Youtubeもやられているんですね。

はい、1本だけ伸びていまして。ドッグトレーナーで検索して貰うと2番目くらいに出てきます。(動画を見たい方はこちらからどうぞ!

本当だ。これ後で見させて貰います!

ありがとうございます。

トレーニングはどういう依頼が多いんですか?

トイレ、吠え癖、噛み癖、散歩の引張り癖が多いですね。

トイレって、トイレの場所でちゃんと出来ないとかですかね?
飼い主さんにとっては大変ですよね。

大変ですね。トイレに関しては、徹底しなければいけないので。覚えさせようと思ったら。自然と覚えてくれるなら良いんですけど。ワンちゃんによっては、覚えにくいとかもあるのでそれを考えると難しかったりします。

そういう子には、どういう風に訓練するんですか?

僕は基本的には出張訓練なんですよね。その場でトイレを覚えさせる、という事はしないんですね。飼い主さんにアドバイスしていく、という形を取ります。アドバイス内容としては、トイレするタイミングをこっち側で決めてあげる、という事をします。ワンちゃんって基本的にはキレイ好きなんですよね。だから狭い空間では、基本的にトイレしないんですよね。身体についちゃうから。

なるほど。

例えば、生後3ヶ月〜4ヶ月くらいのワンちゃんだったら、トイレの回数がめちゃくちゃ多いので、クレートに入れます。あんまり大きすぎないクレートに入れてあげて、1時間置きに、トイレシーツに上においてあげる。そして、トイレシーツを柵で囲ってあげる。どこでトイレしても成功できるように。で、成功したらおやつを上げる。その後に、遊ばしてあげる。トイレしなかったら、もう1回クレートに入れてあげる。トイレのタイミングじゃなかった、という事。で、また1時間後、トイレの上において上げる。小型犬だったら、寝てるか、食べているか、遊んでいるか、トイレしているか、なので。それをこっち側でコントロールしてあげる。

なるほど、ちゃんとトイレできたらご褒美貰える、と認識する訳ですね。

そうです。で、失敗の回数を減らしてあげたいんですよ。よくあるのは、ケージに入れていて、先に遊ばせてあげちゃうんです。そこで失敗する。基本的に、ケージから出したらまずトイレさせてあげる。そうすると失敗の回数が減ります。目安としては3〜4ヶ月の子だったら1日4回くらいはトイレするので。成犬になったら、おしっこ2回、うんち1回で大丈夫です。それを小さい時からやっていたら、本当に声掛けたらトイレできるようになります。言葉掛けたらトイレできるようになったり。

それがトイレ問題の解決ですね。噛み癖問題はどのように解決しますか?

これ、噛み癖とか吠え癖は全部そうなんですけど。状況によって全部違うんですよね。

どういう事でしょう?

「噛み癖があるんです」と言われたら、「どの時に噛んでしまいますか?」と聞きます。ヒアリングしないと、正確な原因が分からない。吠え癖も一緒です。「どんな時に吠えますか?」と聞きます。ただ「よく吠えるので直してください」は何をしたら良いのかが分からないので、「どんな時に吠えていますか?」「どんな理由で吠えていますか?」というのをしっかりヒアリングします。例えば「ピンポンに吠えちゃう子」。ワンちゃんは昔から番犬と呼ばれていたじゃないですか。今はちょっと変わってきてますけど。これは、本能的に、「確認」をしなければいけないんですね。特にリーダーは。

なるほど、誰か来たぞ、と。

そうです。これは本能なんですよね。警戒吠えと呼ばれるものです。これ系は、当番になっちゃってるんですよ。「自分がいかなきゃ!」「確認してきまーす!」みたいな。「誰だ、誰だ。」みたいな感じになってしまっているので、それを無くしたいのであれば、まずはリーダーシップを取っていかなければならないので、まず人間の言葉を聞けるように教えます(笑)。

どういう事ですか?

これ難しいんですけど、みんなワンちゃんのしつけって全然しているようで出来ていないんですよ。あれは、一芸なんですよね。伏せ、おかわり、待て。それって、ワンちゃんからするとおやつを貰うためだけにやってるんです、あれ。多くの場合。トレーナーが教えるしつけっていうのは、どんな状況でも、どんな場合でも、それが出来ないと躾って言えないんですよ。だから、おやつを使ってトレーニングをもちろんしていくんですけど、おやつ無しでも出来る状態じゃないと、本当に必要な時に活用が出来ないんですよね。例えばさっきのピンポンの時に、「待て」を覚えていたりとか、「ハウス」を覚えていたりとか、落ち着ける状態を自分で作る状態を知っていたら、その指示を出したらするはずなんです。ただ、ここで指示通りに動けないという事は、おやつを貰うためにただやっているだけで、その指示の「言葉の理解」は出来ていない、という事なんですよ。この場合は、本当に基礎から教えます。出来ているようで出来ていないので、大体のワンちゃんは。基礎から「おすわり」「伏せ」をやり直して、言葉でちゃんと言うことを聞けるようにして上げたら良いんです。絶対最初は吠えちゃうんですよ、ピンポンが鳴ったら。だけど、「やめて」って言った時に止めれるようになっていくんです。「行かなくていいよ」「警戒しなくていいよ」というのを伝えられるようになる。

具体的なシーンから本質的な課題を特定して、解決していく。これが大事なんですね。

そうです。ワンちゃんと会話して欲しいんですよ。飼い主さんには。

「想いに寄り添う」

子犬にも寄り添う

世の中に、ドッグトレーナーの方って沢山いると思うんですけど、望月さんと他の方との違いってどこですか?

僕は、技術でいったら、他のトレーナーより全然ないんですよ。本当に訓練所でやっていた人に比べたら、すごい差があります。でも、「飼い主さんのために」「ワンちゃんのために」となったら、僕は強いと思うんですよ。ヒアリングもしっかりします。基本的に、訓練所出身で職人気質の方は固定概念が強いので、やり方も固まっちゃうんですよ。「このやり方じゃないと無理です!」みたいな。僕の場合は、飼い主さんの要望に対して、固定概念を取り払って、どうしたらそれが実現できるか?を考える事が出来る。そこに集中できるのが、他のトレーナーとの一番の違いですね。あと、出張訓練って、実はトレーナーからすると難しいんですよ。預かりの方が楽です。トレーナーがワンちゃんを扱えるなんて、当たり前なんですね。知識や技術がそんなにない僕でも出来ます。預かっちゃば。でも、僕が預かっていくらしつけられた所で、飼い主さんの元に戻った時に、出来なかったら何も意味がないですよね?

仰る通りですね!

だから、トレーナーが「ワンちゃん」に教えるのではなくて、トレーナーは「ヒト」に教えなければならないんですよ。

なるほどですね。

飼い主さんが出来なかったら、解決にならないんですよ。3ヶ月とか半年とか預けてくれるのであれば、ある程度は出来るようになっていくんですけど、多くは1ヶ月くらいの時間になります。そうなると、飼い主さんに教えてしまった方が逆に早いんですよね。なので飼い主さんへのアドバイスは、訓練所の人よりも上手に出来ると思います。

ドッグトレーナーという職業を詳しく知らなかったので、全体像が理解できてすごく楽しいです、今!!この記事、本当にたくさんの飼い主さんに読んで欲しい〜〜〜!!(笑)

そうですか(笑)ありがとうございます。でも、この事って訓練士さんも分かっているんですが、自分が技術があるから自分でやってしまう。ただ、飼い主さんにはうまく説明できない方は多いですね。

これまでたくさんの飼い主さんやワンちゃんをしつけしてきて、一番印象的なエピソードは何ですか?

犬種でいうと柴犬。トレーナーは柴犬、苦手なんです。どのトレーナーに聞いても言うと思います。これは僕の先輩の案件だったんですけど、家の中と家の庭以外には全く出た事が無い、1歳くらいの柴犬だったんですね。散歩が出来るようになりたい、という飼い主さんのオーダーがあって。トレーニングが始まって、ドッグランの真ん中にその子を置く、という所からスタートしたんですけど。そうしたら、30分くらい一歩も動かないんですよ。もう固まっちゃって。どうしよう、となりまして、リードを引っ張ってみたんですよ。そうしたら、もう暴れ狂っちゃって。ギャンギャン鳴いて。リードをちょっと引っ張っただけなのに、パニック状態。この子はどうすれば良いんだろうと思いました。パニクって自分の舌を噛んじゃったんです。口の中から血も出ていました。1ヶ月訓練だったんですが、1ヶ月では絶対無理だなと思ったんです。最終的には2ヶ月くらい掛かりましたね。本当にちょっとずつトレーニングしました。最初は口輪をつけました。直ぐに噛んでくるので。まずは、トレーナーの会社の室内から慣れさせて。ちょっとずつ、外の音とかを抱っこして聞かせたり。1歩だけ外に出してみたり。ビビりながらも、2ヶ月程度で散歩で外を歩けるようになりました。ここまで変われるんだなって思いましたね。

この子が具体的にどのようなステップで、それが出来るようになるのか、その戦略というかステップを明確に描いてあげないと行けないという事ですかね?

そうですね。どんなワンちゃんが来ても、そのワンちゃんの特性やこれまで学んだ知識をフル活用して、どんな方法でやるのが一番良いのか?を考えて、とりあえずチャレンジしてみる

なるほど、それは飼い主さん1人だけでは出来ないですね。

そうです。あと、飼い主さん1人だけだと諦めちゃいますね。

諦める?

だって、飼い主さんが散歩行こうと思って、抱っこして外に連れて行ったら1歩も動かなくて、リードを引っ張ったらギャンギャン叫んでしまったら、諦めません?(笑)ああ、この子は散歩が嫌いな子なんだなって思って、散歩を諦めてしまう。

その子が散歩を嫌いかどうか分からないですよね。

もっと言うと、散歩が何かをそもそも知らないので、好きかどうかも分からないです。

なるほどですね。

しつけでいつも言うのは、めちゃくちゃ労力もかかるし、神経が削られるし、ワンちゃんに分かって貰うまでがとても大変なんですよね。例えば、「おすわり」「伏せ」をしつけようとしても、始めは分からないので同じ失敗を何回もしちゃう。何回やっても出来ないとかあります。そこで諦めてしまう事が、一番もったいないですし、ワンちゃんのためにも飼い主のためにもならない。諦めずに継続する事が大事です。トレーニングは。

忍耐力がいりますね。それはドッグトレーナーとして活躍できるかどうかに著しく影響がありますね。

そうですね。飼い主さんにも、そこをアドバイスしないと行けないんですよ。ゴールを見させてあげる。ビジネスと一緒なんですよ。ゴールを達成するためには、忍耐強くやる必要がありますよ、と。コーチングに近いかもしれないですね。

なるほど〜〜〜。深く理解をする事が出来ました。本当にありがとうございます。

しつけやすいワンちゃんとしつけにくいワンちゃんの違い

室内訓練中のワンシーン

しつけしやすいワンちゃんと、しつけしにくいワンちゃんって何が違いますか?

これも定義によって変わるんですけど、しつけしやすいワンちゃんは、適度に頭がよくて、人にもワンちゃんにも交友的な子、警戒心が少ない子ですね。キャバリアとか。キャバリアは問題行動がある子はほぼいないですね。

しにくい子はどうでしょう?

頭がとにかく良い子、警戒心が強い子。頭が良いから、しつけしやすいではないんですね。頭が良いからこそ、色々考えるんです。そして、色々試してくる。

試す?

はい。よく小学校とかでも、クラス変わった時に、「この先生どこまでやったら怒るかな?」って試すやついませんでしたか?(笑)

いましたね。

そういうやつって、勉強ができるできないじゃなくて、頭が良いんですよ。賢い。

どこまでだったら遊べるのか、どこまでだったら怒られるのかを見極めている。

そうです。どこまでだったらサボれるかも考えているので。それ、ワンちゃんも一緒なんです。「この人はどこまで許してくれるだろ?」とか。「この行動したら怒るかな?」とか。だから人によって態度を変えるんですけど。犬種でいうと、ボーダーとか、トイプードルとか。基本的に猟犬は、頭が良いです。

そういう事ですね。

ただ、トイプードルだったらめちゃくちゃ人懐こいですし、毛が抜けにくいとか、そんなメリットがありますからね。しつけ、だけでいうと大変だったりします。

素直な子、がしつけしやすい?

そうですね。なのでペットショップにいった時に「この犬種は頭が良いですよ。」とかって言われると思うんですけど、飼いにくいと思ってください(笑)あとは家庭環境にもよります。トイプードルはすごい人に依存しやすいです。分離不安といって、飼い主がいない時間が続けば続く程、ストレスが溜まっていくタイプなんですよ。もともとワンちゃんは集団行動するので、そういう気質がありますが、特にトイプードルが強くて。ペットホテルに預けたりした時に、飼い主さんがいないから、預かっている間はずっと下痢になっちゃうとか。体調崩しやすい。家によくいれる専業主婦です、みたいな人はトイプードルは良いかもしれないですが、共働きでお留守番が長くなってしまう家庭ではトイプードルは止めたほうがよいと思います。ボーダーとかだったら運動量が多いからアウトドアな人が合います

という事は、飼い主さんの特性によっても、犬種の合う合わないがある、という事ですね!

そうですね!

その当たりをちゃんと調べて、自分達に合った特性のワンちゃんを飼おうと意識している人ってどれくらいいるんですかね?その方がお互いに幸せになれると感じたのですが。

いませんね〜。残念ながら。実は、ペットショップでアドバイスを貰うのではなくて、ドッグトレーナーにアドバイスを貰うのが早いです。特性を聞くのは、ね。

なるほど。

どういう病気になりやすい、とかはペットショップだったり獣医さんに聞いた方が詳しいと思いますけど、総合的に飼いやすいかどうかはトレーナーが一番アドバイス出来ます

これからの新しいペット選びのスタンダードになるかもしれないですね。生活習慣や家庭環境に基づいて、どの犬種のワンちゃんを飼うと、お互いが一番幸せになれるか?からペットを選ぶ。

望月さんはこれからどんな活動をしようとしているのですか?

実は今パピーの子だけを集めたオンラインサロンを開こうと思っているんですね。問題行動が出てから治すのではなくて、問題行動が出る前が一番大事なので。出る前に解決しないと、しつけがどんどん難しくなるので。もちろん個人的にトレーナーはやっていきますが、そっちの活動にこれからは重きをおいてやっていきたいなと考えています。今、企画中です。オンラインでも出来るし、希望があれば出張訓練もしますし。トレーナーもオンラインサロンのメンバーで全国的に依頼ができるような形にしていきたいなと考えています。

ワンちゃんとの幸せな家庭づくりの鍵

今日は犬の日、という事で、望月さんが言うには、どうしたら飼い主さんはワンちゃんとの幸せな家庭を築く事が出来ますか?

ワンちゃんって、基本的に集団行動で生きていく性質があるので、まず家族と思って欲しいんですね。この記事を読まれている飼い主さんは、みんなそう思っていると思いますが。なので、子供を1人育てる気持ちで、飼って欲しい、接して欲しいと思っています。それくらい大変なんですよね。その分、ワンちゃんは様々なお返しをしてくれます。トレーナーは特にそうなるんですけど、ワンちゃんを迎えたら、ワンちゃんの生活になっていくんですよ。だからこそ、僕はいま飼っていないんですよね。飼ったら僕の中ではしつけは必須だと思っていますし、猫とは性質が違いますので。動物から1つ外れているんですよね。考える力もあるし、身近な存在。犬は安易に飼いがちなんですけど、本当に飼って良いのだろうか?と一度、立ち止まって考えて欲しいんですよね。子供を作る時って、みんな本当に考えると思うんですよね。その観点で、飼った時のメリット・デメリットを考えてから飼う事をおすすめします。飼ってからアレルギーが出てしまう事もありますし。飼い主さんがどうしても飼えなくなる状況を作ってしまった時に、どう対応できるのか?とか。逃げ道もきちんと作っておいて欲しい。色々な状況を思い浮かべて、飼うかどうかを意思決定して欲しいです。今現時点で飼っている人もたくさんいますから、その中で考えて欲しい事は「なんで飼ったのか?」「何を求めているのか?」に、きちんと立ち返る事。しつけをする時によく思います。「これ、本当に必要なのか?」って。「なんでしつけをするのか?」そこに明確に答えを持って、しつけを依頼する飼い主さんには、依頼をして頂きたいです。多くの方に「待てって本当に必要ですか?」と聞くと「必要は無いです」って答えます。でも、人間は「待て」しないじゃないですか。きちんとしつけも目的を持ってやる事が、ワンちゃんと飼い主さんが幸せに暮らせる鍵かなと思います。

望月さん、今日はすごく勉強になりました。多くの飼い主さんにこの記事を読んでもらいたいですね。

そうですね。たくさん読んでもらえたら嬉しいですね!

本日はありがとうございました!

ありがとうございました!

「ドッグトレーナーとしつけ」のテーマでのインタビュー、楽しんで頂けましたでしょうか?

ワンちゃんとの幸せな家庭づくりに、この記事の情報を生かして頂けたらと思います。

望月さんの事をもっと知りたい!という方はぜひ、SNSアカウントやYoutubeアカウントをフォローして見て下さいね。

インタビュー第四段もお楽しみに!

ゲスト:望月翼

動物愛護団体Animal Space代表。兵庫県明石市で育ち、幼い頃から生き物が大好きだった。中学からバレーボールを始め、高校では全国大会も経験。高校卒業前に、ドッグトレーナーに憧れ大阪動物専門学校へ入学。卒業後、憧れのドッグトレーナーになるが、理想と現実のギャップで1年半で退職。その後、個人でドッグトレーナーもやりながら、現在は動物愛護コミュニティを立ち上げ、活動中。

著者:鈴木祐太郎

株式会社WaterO CEO。1993年生まれ、静岡県御殿場市出身。共働きの両親の下、中学1年から猫2匹を実家で飼い始める。大学時代、最愛の猫に会いたいがあまりに、東京と静岡を行ったり来たりする生活を送る。慶應義塾大学経済学部卒業後、人と組織の可能性を最大化させる事に憧れを抱き、コーチングファームに就職。コーチング・コンサルティングの基礎を学ぶ。その後、ブライダル業界、飲食業界、化粧品業界、WEBマーケティング業界での業務を通し、幅広い人脈と知見を蓄積。「全てのペットが健康に暮らせる社会を当たり前にする」を目指し、株式会社WaterOを設立、代表に就任。現在クラウドファンディングにて、日本初の愛犬・愛猫専用酸素補給水WaterOを先行販売中。